規律と自由-50%のコンセプトの上にある自由

サッカーはチームプレーである以上、コンセプトディシプリンという、戦略・戦術のベースとなる考え方が必要になります。しかしチームの戦術だけをこなす選 手は、個性や意外性、創造性、かけひき、勢いなどにおいて相手の能力が上になった局面での打開策なども乏しく、チーム全体が行詰ってしまうでしょう。
チーム内に監督の指示することだけを100%やっていれば、ミスも少なく、怒られることもないから、与えられた槻律や戦術だけを意識してそれが全てと考えてプレーするような状態がおこると、チームの成長は、全く期待できなくなってしまいます。

「100%のチームの戦術は、個人の中では50%にすぎない」

私はチームのコンセプトを理解した上でチームでの役割を100%やりとげながら、個人のいいところ・個性をどう生かしていくかが大切であると考えています。

チームコンセプトは個人の中では50%にすぎず、残りの50%にどう自分のプラス部分を上乗せしてプレーできるかが重要であると思います。指導者は「これ だけをやれ」という考え方ではなく、その上に自分の個性を出してアピールしてほしい、というプラス思考的なアプローチが大切です。その結果として、チーム 全体が、統一した方向性を持ちながら、個々の能力を生かした魅力あるチームができるのではないでしょうか・・・。

チームのコンセプトや戦術はそのまま同じでも選手を変える事で、それぞれの個性・特性を生かせば、守備的、攻撃的など、様々な変化に富んだチーム作りは可能になります。

現在の代表チームは、このバランスがよくなってきたと感じています。ワールドカップに向けて、さらなる調和を図り、バランスのいいチームになるよう努力していきます。

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