6月12日 親善試合 日本―イラク(4―0)

3月の2試合で見せた「縦へのスピード」、「球際の激しさ」といった部分は、さらにレベルアップした。
特に「縦へのスピード」はよく出ていた。それは新体制で初出場したDF長友の存在でよく分かる。久々の代表戦だが、試合のリズムには乗れていた。スプリントもできていた。これまでは長友が縦に深いところへ走っているのが目立った。だが、チーム全体として「縦へのスピード」が増した結果、長友の攻守のスプリント力がこの試合では目立たなくなった。それほど縦への意識は高まり、チームとして実践できているということだ。
後半16分にはGK川島から一気のカウンター。香川がドリブルして、本田、宇佐美、岡崎がゴールに向かった。結局、ミスでゴールにはならなかった。疲労が見えてくる時間帯だが、あそこでとどめを刺し切れないところは、ハリルホジッチ監督がまだこのチームに足りないと思っているところだろう。
後半途中から出場して1得点の原口は先発したメンバーに比べるとまだ力が落ちる。だが、ドリブルでの突破力、シュート力という良さは出した。スタメンとしては足りないが、今後、W杯予選を見据えてジョーカーとして起用できる可能性を見せた。
16日からW杯予選が始まるが、結果は心配していない。この予選はハリルホジッチ監督の要求していることをどれだけ一人ひとりが消化して成長できるかをピッチの上で見せる戦いだ。