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2001年1月4日 静岡新聞

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時代(とき)を創る ―"世界"が選手を育てる―


四年前のアトランタ五輪でサッカー王国といわれるブラジルを破り、二年前、初めてワールドカップ本大会の舞台を踏んだ。昨年は世界ユース選手権(二十歳以下)で準優勝し、シドニー五輪行きを決めた。着実な歩みを続けるわが国のサッカーだが、本当にレベルは向上しているのだろうか。

「(年齢が)下に行けば行くほど、技術的にしっかりしていますね。そのことはU-17(17歳以下)、U-20(20歳以下)、それにオリンピック(23歳以下)と3大会続けて、いい結果を出していることが証明しています。まだファーストランクには差がありますがファーストランクを追うグループに入ってきたんじゃないか、と思いますよ。対戦国のタイプにもよるけど、フィジカル的に対等、もしくは近い形なら、戦術や個々の技術が上がっているのでかなりやれるようになった。世界のサッカーは日々進化していて、ちょっと努力を怠ったら置いていかれてしまう。そんな中で、日本の伸びはトップクラス。日本の高度成長時代を見ているような感じがします」さらにランクを上げるためのポイント。それは経験という。島国という地理的ハンディを抱える日本だが、海外に積極的に出ていくことがレベルアップにつながる━と力説する。「アトランタ五輪でブラジルを倒したチームは、五輪出場権を獲得した時、手放しで喜んだ。とにかく出ることが目標だったんですから。ところが、去年の秋、シドニー行きを決めたときの選手は、当たり前という顔をしていました。出るのは当然だと思っていたんですよ。その差は何か。経験の違いでしょうね。4年前、日本は28年ぶりに五輪に出場した。そのときと今回のメンバーは違うけど、日本として貴重な経験を積んだんです。今回のメンバーはU-17やU-20の大会で、自ら世界にチャレンジしてきた。世界を体験すると、世界の基準が見えてくるんです。若い選手にどれだけ投資できるか、言い経験をさせるか、が今後の重要な課題でしょうね」

ジュビロ磐田の前身、ヤマハ発動機の主力DFとして活躍していたが。29歳で現役を引退。以来、指導者の道を歩んできた。技術指導だけでなく、少年時代に着目したり、休養の重要性を説いたりする幅広い指導理論は定評がある。

「12歳から18歳までの6年間をいかに過ごすか、これが重要です。12歳の子が6年後にはプロになっているんだから。24歳からの6年間と比べたら、伸びしろは何百倍もありますよ。少年時代の6年間を無駄にしないような環境づくりが大事です。環境に指導者が含まれるのは、いうまでもありません。

スポーツ選手にとって大切なものは何かというと、もちろんいいプレーをすることですが、その為にはいい休養といい栄養を取ることが重要になるんです。体を使えば、細胞が破壊される。それを修復するのは休養と栄養です。だから、僕は休むことも食べることも仕事だって言ってるんです」

休養と栄養と同時に、重要視するのはメンタリティー。最後に勝負を決めるのは気持ち━と強調する。

「技術。戦術、体力を支えるのがメンタリティー。いいものを持っていてもメンタリティーがしっかりしていなかったらどうでしょう。せっかくの優れた要素を生かせません。より優れた者同士が競い合う時、最後に決め手になるのは心です。メンタリティーほどデリケートなものはないので、メンタリティーを200%に保つことがいい選手の条件。そう思いますよ」

2001年1月4日 静岡新聞掲載