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2001年9月22日 中日新聞(静岡版)

日本代表のヘッドコーチ 山本昌邦氏(43)


Jリーグの得点ランキングを見れば、上位は外国人選手ばかり。日本人選手のトップは磐田の中山雅史だが、ほかの選手はどうなってしまったのか。サッカーゴールの幅は7メートル32センチ、高さは2メートル44センチ。日本人はゴールキーパー(GK)がゴールに立つと、両隅1メートルだけがゴールだと思ってしまっているのではないか。日本代表の山本昌邦ヘッドコーチ(43)が将来のJリーガーを夢見る小中高校生にシュートの練習方法やゴールに対する考え方を披露した。

W杯の得点統計によれば、得点の75%はツータッチ以内(ボールタッチは2回まで)。例えばセンタリングをトラップした後、すぐにシュートしないと相手 DFがタックルに来るわけで、ボールを止めて考えている時間はない。また、FWはゴールとGKとボールの3つを視野に入れることが大事だ。シュートする場面でこれを確保できれば、ストライカーは落ち着ける。

FWは常にマークされている。それを外すにはFWが最後に入りたいポイントを空けておくこと。ボールが来ると思う前に後ろに下がって一瞬、マーカーの視野から消える。その後、空けておいたポジションに入り込んでシュートする。これは私が磐田に在籍していた97年から中山とマンツーマンで練習してきた。彼は練習で相手のマーカーを外し、ゴールとGKの視野を確保してシュートを放つ一連の動作をマスターした。それが2回の得点王につながったのではないか。

日本の場合、監督やコーチは「ゴール隅を狙え」と指導しているケースが多い。だが、私に言わせればそれは「シュート練習」ではなく、キックの精度を試す「キック練習」ではないか。

結局、選手がガチガチになって両サイドの隅を狙ってシュートを打っている。だが、これはすべてのケースに当てはまるのではない。FWのフェイントでGKが倒れたり、GKのタイミングが外された場合、最大約7メートルのスペースがある。シュート前のボールコントロールの方向に角度をつければ、GKはポジションを修正せざるを得ない。そこに得点チャンスが生まれてくる。

サッカーは相手との駆け引き勝負。どうやったら相手心理の裏を突けるか、楽しみながらシュートを打ってほしい。

2001年9月22日 中日新聞(静岡版)掲載