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2002年8月16日 静岡新聞

若い選手たちと新たな冒険の旅

アテネ五輪を目指す代表チームのベースとなるU−21(二十一歳以下)日本代表候補が釜山アジア大会に向けて始動した。指揮を執るのはW杯代表コーチを務めた山本昌邦監督。アジア大会、アテネ五輪の目標は、ジーコ体制のフル代表コーチも兼任する山本監督が目指すサッカー、指導理論などを聞いた。


- スタート地点に立った心境はいかがですか。

「若い選手たちと一緒に新しいものを積み上げ、また新たな冒険が出来る。頭の中にある世界基準というものを選手にフィードバックできることは非常にやりがいがある仕事だ」

- 五輪監督就任を決断した要因は何ですか。

「Jリーグの指揮にも魅力を感じていた。リーグが始まるまでの半年間を利用して欧州のサッカーを見たいと考えていた。Jか日本代表かの選択で非常に迷ったが、若いU−21の監督業が自分の力が一番生かせると判断した。日本協会からも高く評価してもらい、熱意に打たれた」

- 若い世代のレベルは確実に上がっています。

「ただ、うまいだけでは世界のトップで勝負するのには足りない。厳しい環境、ぎりぎりの世界で自分のプレーがどれだけ出せるかが大事。答えを教えても出来るものではない。それらを経験できる環境を多く作ることで、選手が育ってくれたらいいと考える」

- 選手に求める資質も決まってきますね。

「世界クラスの大会は厳しい環境、悪条件の中でも結果を残さなければいけない。技術、戦術、体力、メンタリティーの四本柱がそろわないといい選手にはなれない。最後は人間としての強さが問われる」

- 同世代には世界レベルでプレーする選手もいます。

「アテネ世代は今回のW杯でも韓国で三人、中国で二人がプレーした。アジアだけでもこれだけのライバルがいる。このクラスの選手を打ち破っていかなければいけない。彼らを基準にプレーの質を上げていくことは簡単ではない。だからこそやりがいもある」

- アジア大会は優勝を目標に掲げていますね。

「もちろん、韓国はフル代表に近い戦力になる。あきらかに格上だが、あきらめはしない。勝てばプレッシャーを与え、アテネのアジア予選を有利に展開できる。真っ向勝負で日本の強さを見せつけたい」

- アテネ五輪に向けてのチーム構想は。

「アジア大会とWユースのメンバーが一緒になり、本当のチーム作りが始まる。ベスト8以上が目標。そこまでの経験がないと前の世代を追い越せない。そのレベルで戦ってみないと分からないものがあり、到達できた者にしか分からない感動がある。ぜひ味わってほしい」

(聞き手・運動部 望月章弘) 2002年8月16日 静岡新聞掲載