フィジカルテストは試験ではなく情報収集

2月8~13日までの期間を3つのグループに分けて、フィジカル、メディカルの測定を実施しました。この時期のチェックということで、ワールドカップへの サバイバル合宿とか最終試験などという表現をされましたが、ワールドカップまでのコンディションを万全にしていく為の情報収集であって、このテストで選手 を評価するものではありません。

「フィジカルテストは試験ではなく、ステップアップする為の情報収集です。」

選手個々にプレースタイルやフィジカルの特徴も違うものを持っています。また、能力を最大限発揮するのにどのようなトレーニングをすれば、より効果が上が るのか、ケガを防ぐのにどの部分の強化が必要なのかなど、現状分析を活かして改善していく事が最も重要なテーマです。すなわち、優劣をつけるものではなく 分析に役立てる情報収集であります。

選手はこうしたデータが自分自身にはね返ってきますから100%集中して最大限の値を出す事が重要です。代表の選手クラスはプロとしての自覚もしっかりあ るのでこの点は全く問題ないのですが、育成段階の選手には、こうしたデータをフィードバックしながら目標をしっかり持たせ、一歩一歩確実にレベルアップさ せてあげることが大切になってくると思います。競争ではなく自分自身をよく知るためのトレーニングだというぐらいの考え方で、過度のプレッシャーをかけな いように考えたいものです。

将来は様々なデータが公表できるようにして育成年代選手の目標作りに役立てるようにできたらいいのではないかと思います。また、ワールドクラスの選手が育 成年代の時にどういう値だったのかを公表できるようなデータがあればより理解しやすいと思いますので、データの蓄積をしていく必要があります。実際にJ リーグのクラブなどではジュニア時からデータを取り始めて、その方向性が出せるようになってきているチームもあります。成長過程の中でより効果があるト レーニングを効率良くしていく為の指標と、ワールドクラスに到達するのに不足しているものが若いうちに分かれば効果は大きいと思います。

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