オープンスキルとクローズドスキル

子供はマネの天才ですから、コーチが見せたプレーをマネすることはすぐにできるようになるでしょう。その時、プレーのスピードは考慮する必要ありません。体が大きくなり、パワーがつけばスピードアップは可能になるからです。大切なのは正確にできることです。

判断を伴わないクローズドスキルは、ゴールデンエイジといわれる10~12歳(個人差はあります)の頃が学習に最適な時期です。この時期、神経系の発達が大人の90%以上に達しており、特に吸収力が高いので様々なスキルを習得するのに理想的です。
一度身についた技術は、神経回路が形成され、トレーニングを休んでも低下しないので、大人になってからも活かせる恒久的なものになります。是非ゴールデンエイジの、体のバランスがよい時期(第二次成長期前)に多くの技術を身につけてほしいと思います。

試合では、こうして身につけた技術を状況の変化に対応して、いかに適切なタイミングで駆使するか、またどの技術を用いるかといった判断力が問われます。この判断を伴う技術がオープンスキルです。
いかにしてクローズドスキルからオープンスキルへ移行させていくか、またどのようにして与える負荷を増していくか、といったことが指導者の重要なポイントとなります。

素晴らしい技術を持っているのにのに試合では…という選手にならない為に。
パスの強弱、タイミング、方向などはクローズドスキルでは判断する必要がありません。事前に決まっているからです。
どんなに優れた技術、能力を持っていても、正確に適切なタイミングで活用することができなければ宝の持ちぐされになってしまいます。
実戦で重要なのはオープンスキルであり、このレベルアップが重要なのです。

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